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夏に太宰 [本]

太宰治の短編小説
「トカトントン」というのがあって、
これはかなりの問題作だと
長年、私は思っています。

かなりかいつまんで言うと、
苦渋の主人公が、
鬱々とした日々に
なにか光明を見出すごとに
(それが自死であろうとも)
遠くから
「トカトントン」という
謎の音が聞こえ、
そしてその音とともに
小さな光明もわずかな希望も
なけなしの自意識も、
まるでなかったかのように
かき消され、
そしてそこに残ったのは
人が人としての感情を失う
虚無だった。というよーなもの。

ようするに、
この夏はバカンスにでも行くか!
恋でもするか!
習い事でもするか!
などと気持ちを無理にでも
高ぶらせてみるものの、
遠くから
「で?」
「それが何?」
と、気持ちを萎えさせる声が聞こえる
とゆーよーなもの。ちょっと違うか。

ま、なんにせよ、
私はこの小説を読んだ20代のとき、
ぞぞっとしました。
人が人として生きるべき
一番大事なところ、
もしくは隠しているところを
思いっきり
突かれている気分になりました。

主人公の苦悩はとどまることなく、
日々の暮らしで
なにをやっても
なにを考えても
「トカトントン」に支配されるという
事態に陥ってゆく。
これを精神破壊者だと思う人は、
いたって健全なのだと思います。
ただし、
この小説を読んで鳥肌がたった人は、
要注意なのだと思われます。









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コメント 2

友

「何をやってもトカトントン」
きのう仕事中にこの本のことを考えておったのよ。
再読しなくちゃ、と思っているところにこの記事が!
by 友 (2014-08-15 12:24) 

mebius

なんか怖いね。なんだろね。
しかしこのトカトントンについては
昔から話しのネタにはなってたよね~。
太宰先生はさらっとえげつない話し書くから。
ぜひ再読してみちくり。



by mebius (2014-08-16 01:02) 

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